管理職と管理監督者

会社内での管理職=労働基準法上の管理監督者ではありません。

 

労働基準法上、残業代を払わなくても良いとされる管理監督者とは?

はっきり申し上げまして、定義はとても曖昧です。

ケースバイケースで個別の事案ごとに監督署、裁判になれば裁判所で判断されます。

簡単に定義付けすれば、

1.経営者と同じ立場で仕事をしている

2.出社、退社や勤務時間について厳格な制限を受けていない

3.その地位にふさわしい待遇がなされている

 

単に名称が“店長”“部長”“支店長”となっていても、一概には当てはまりません。

実務的な立場から申し上げますと、その範囲は非常に厳格で限定的です。中小企業においては、それなりに報酬の出ている兼務役員(執行役員)クラスの方でも否定されるケースもあります。

兼務役員でなく常勤役員であっても、中小零細企業では他の労働者と同様に働いている場合が多く、全く安全とも言い切れません。

正直に申し上げて、中小零細企業(従業員数50人程度)では 労働基準法上、残業代などを払わなくてもよいとされる管理監督者はいないと考えたほうがリスクヘッジにはなります。

 

固定残業代(定額残業代)制度を適用させることは可能か?

管理監督者に当てはまらないのであれば、固定残業代制度(定額残業代制度)を適用させることも考えられます。

いつ否定されるかわからないリスクを冒してまで管理監督者にこだわるメリットは、中小零細企業では全くと言っていいほどありません。

 

製造業の現場作業者ように、勤務時間=完全労働時間、という場合は固定残業代制度(定額残業代制度)を当てはめることは、適切ではありません。

しかし、ある程度裁量があったり、労働時間というより仕事の質を重視する職種であれば、固定残業代制度(定額残業代制度)を多いに活用すべきです。

 

固定残業代制度(定額残業代制度)という言葉を出すと、長時間、過重労働などの諸悪の根源のように思われがちですが、それは間違いです。

残業代を払う・払わないの問題と、長時間労働・過重労働の問題は別個のものです。

残業代をタイムカードに基づき毎月計算して支給していても、過労の問題が回避される訳ではありません

固定残業代制度(定額残業代制度)を導入しても、長時間労働に関しては注意を払い、一人の人間に業務が集中しないように会社がちゃんとケアすれば、過労の問題は回避できます。

また、一部の労働基準監督署(監督官)や弁護士、学者、書籍などの執筆者などは、固定残業代(定額残業代)制度を否定的にとらえる人もいますが、それは経営者という立場にない人のリスクヘッジを考えない戯言にしか私には聞こえません。単なる勉強不足である場合も多いです。会社として適正な固定残業代(定額残業代)制度を導入していれば、何ら文句を言われる筋合いはありません。

 

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IT系企業(WEBデザイン、システム開発など)の労働時間管理

どうしても長時間労働になりがちなIT企業。

出版社はいつも徹夜のイメージだが、労働時間の管理はどうなっているのだ?

と疑問を持たれたことはありませんか。

新聞社や出版社などで働く記者や編集者は、働き方について裁量性が高いので、その人の実際の労働時間に関係なく1日8時間働いたものとみなす、という制度が適用できるのです(専門業務型裁量労働制)。

IT企業でも、例えばプロジェクトマネージャー、システムエンジニア、クリエーター、デザイナーなどで業務の性質上、仕事の時間配分や手段・方法を大幅に労働者の裁量に委ねている場合は、この制度を活用できます。

また、IT企業でも外回りばかりの営業職なら、いつ喫茶店で休憩していつ営業活動をしているのか分からないような人(会社がいちいち仕事の指示をしない)は、やはり1日8時間働いたものとみなす、という制度が活用できます(事業場外労働のみなし労働時間制)。

そうした制度に該当しない人(裁量性が低い人)、プログロマー、新入社員で会社が指示をせざるを得ない人、打ち合わせなどが多いマネージャー、プロジェクトチームの下で働く人などについては、長時間労働の抑制・リスクヘッジの意味での固定残業代制度(定額残業代制度)を導入することが有益です。

このように会社内での複数の職種に応じて、労働時間制度を臨機応変に適用させ、無駄な賃金支払い(無駄な残業代支払い)を避け、また残業代未払い請求や行政官庁の調査などといった法的リスクを回避することをお勧めします。